中野院長の徒然日記

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つぶやき

2023/8/7 マイナ保険証

つぶやき

今話題の「マイナ保険証」、当院では約1年前から業者に頼んでいますが、未だ使用できない状況です。
さて、この「マイナ保険証」賛否両論渦巻いています。私個人的には、非常に良いシステムですから、どんどん進めるべきと考えていますし、自分自身の保険証も切り替えました。
ただ、現在世間の意見は「患者さん」、つまり「使用者」の意見が大半ですが、「医療施設側」つまり「被使用者」の意見がほとんど聞かれません。良い機会なので、少し「被使用者」の意見を述べさせていただきます。
前述の通り、システム導入に基本的には「大賛成」です。ただ、導入当初混乱することは、誰が考えても予想できることです。ですので、はじめは小規模、次に中規模、大規模と助走をさせた後で全国に本格導入をすれば、どこに問題があり、どの様に克服できるのかをあらかじめ予測できたと思います。それをいきなり全国一律で始めようとしたために、この様な混乱が起きたと思います。
「被使用者」側の問題点は、例えば、「保険者情報を確認する手段が限られる」という事。現在の保険証には、保険の種類、番号が記載されています。ところがデジタルになりますと、仮にリーダーの故障 (このリーダーは国から支給されたもので、故障した場合のバックアップ方法がありません)や、そもそもマイナンバーカード登録の時のミスなどがあっても、確実な問い合わせの方法がありません。特に当院の様に、午後5時以降も診療をしている場合、コールセンターに電話が繋がらない可能性があります。
最近厚生労働省から、これの解決案が示されました。この様な場合、保険者情報などを患者さんに書類を記入してもらうという方法です。ただ、その中に「保険組合の名称」を記入いただく欄があります。皆さん、自分の保険組合の正式名称を覚えていますか?私自身は覚えていません。『デジタル化』のバックアップ方法が、『アナログ』とは、笑えない冗談です。
柏市医師会でもこの話題はかなり出ますが、皆さん日々変わる政府の方針に振り回されて、辟易しています。実際マイナ保険証を導入している施設でもトラブルが起きている様です。一度立ち止まり、小規模な範囲からやり直すことを、政府の方にはお願いしたいです。

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