少々早いですが、10月分をアップします。
一時期の猛暑は鳴りを潜め、秋らしい日和が続いています。春と並び、清々しい季節です。
10月から、新型コロナワクチン(オミクロン株対応、2価)の接種が始まります。詳細は決定次第HPでアップ、及び外来に掲示します。ただ、入荷の予定が現在不明につき、詳細はもう少々お待ちください。
個人的な意見ですが、新型コロナワクチンは、感染予防には効果が微妙ですが、重症化予防には効果がありそうと言う点、妊婦さんは新型コロナ感染で重症化しやすいと言う点から、妊婦さん、妊活中の方は接種をした方が良いと思います。
話は変わります。我々日本生殖医学会専門医は、4年に1回の免許更新が義務付けられています。その更新には学会主催のセミナーを受講することが必須です。コロナ禍前までは、こちらから出向いて受講する必要がありましたが、コロナ後は配信画像を見る方式に変わりました。なので早速週末に見ていました。このセミナーが優れている点は、特定の研究者の意見を言うのではなく、広く世界的にデータとして明らかなものだけを示してくれる事です。専門医が必ず熟読する、日本生殖医学会が発行する教科書「生殖医療の必修知識」もこのセミナーの内容と合致します。内容を少し抜粋します。
⒈ 自然妊娠を希望するカップルで、最初の2ヶ月は妊娠率が20%以上であるが、3-5ヶ月は7%程度、6ヶ月以上になると3%程度になる。
⒉ 高プロラクチン血症は、排卵や着床に問題が出る可能性がある。
⒊ 排卵誘発剤を使用しないAIHは推奨できないが、クロミッドなどの排卵誘発剤を使用した上でのAIHは推奨できる。
⒋ 子宮卵管造影検査結果と、腹腔鏡などの手術で卵管を直接検査する方法で、結果に差が出ることが、そこそこある。つまり、「卵管造影検査で閉塞」と言われても、手術で卵管を直接検査すると「異常なし」と言う所見が得られる事がそこそこある。
⒌ アシステッドハッチングは、全員に使用しても効果的ではないが、一部の方には効果がある。それは、高齢女性、凍結融解胚、着床障害例である。
⒍ 着床障害に対する検査、特に子宮内フローラや、着床の窓の検査は、日本において明らかに有用であると言うデータはなく、イギリスでは「効果がない」と評価している。
他にもありますが、コアな話になってしまうので、必要な方にお話しするようにします。
大体今まで皆さんにお話ししてきた内容でしたので、少しホッとしています。またこのようなセミナーは、免許更新だけが目的であれば毎年聞く必要はないのですが、自分の方向性の微調整に使う事ができるので、実際毎年聞いています。
11月ごろから、インフルエンザワクチンも始めます。ワクチンだらけで少々お腹一杯です。早くおさまると良いですね。
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