AIHに関して
体外受精などの高度生殖医療に関する統計は、日本産科婦人科学会のホームページなどで、医療従事者でない方でも確認できます。しかし人工授精の詳しい統計はなかなか検索しにくいと思います。 |
人工授精は何回まで妊娠率が上がるのでしょうか? |
『図2 累積妊娠率』を示します。これは妊娠した方だけを集めた図で、横軸が試行回数、縦軸が妊娠した方の割合です。 |
高度生殖医療同様に、年齢と妊娠率は相関するのでしょうか? |
各年齢別の妊娠率は、統計処理が困難なので数値化していませんが、5歳ずつのグループ分けをした妊娠率の比較はあります。 |
精液所見が良ければ良いほど、妊娠率は上昇するのでしょうか? |
『精子濃度』と『運動率』を掛け算した『運動精子濃度』別の妊娠率『図3 運動精子濃度と妊娠率』を提示します。 一方、精液所見が不良の場合はどうでしょうか?この論文発表の当時は、運動精子濃度1000万匹/ mlが正常値でしたので、ここで分けています。運動精子濃度が異常の方でも、妊娠率が保たれていますが、このグループをもう少し細かくグループ分けした図を示します。 |
妊娠分娩歴があっても、同じことが言えるのでしょうか? |
上述の「人工授精は何回まで妊娠率が上がるのでしょうか?」の回答と同様、累積妊娠率を提示します。 |
精液所見が悪い場合、人工授精を何回までであれば意味があるのでしょうか? |
今回提示をするデータは、運動精子濃度の正常値が論文発表当時のものであることをあらかじめお断りしておきます。運動精子濃度が750万匹/ ml以下の異常所見の方に対し人工授精を行い、妊娠した方だけを集めたデータです。横軸は回数、縦軸は『何回目までに妊娠したのか』を表しています。これを見ると、妊娠する方のほとんどは3回目までで、それ以降はなかなか妊娠しないことがわかります。つまり、『3回目まで』は行う意味があります。ただしこの統計も40歳未満の方が対象になっています。 |
精液所見が異常な場合、どのレベルまで人工授精は意味があるのでしょうか? |
40歳未満の方に対する人工授精で、精液所見が不良だった方だけを集めた図です。運動精子濃度(精子濃度×運動率)が750万匹/ ml以上あれば、一定レベルの妊娠率は確保できます。 また、運動精子数(運動精子濃度×精液量)ですと、900万匹が目安になります。 |